フジテレビの看板ドラマ枠「月9」が、大きな岐路に立たされている。4月期の広瀬アリス主演ドラマ「366日」の平均視聴率が6.6%と低迷し、1年を通して一度も二桁視聴率を獲得できなかった。これにより、局内で「月9不要論」が浮上しているという。
恋愛ドラマへの回帰も視聴率低迷
「366日」は、アーティストのHYの代表曲「366日」の世界観に着想を得たオリジナルストーリーで、高校時代の恋を12年越しに叶えようとする男女の恋愛を描いた。しかし、初回の視聴率は7.2%と低迷し、その後も5%台の低空飛行が続いた。
フジテレビは、この1年間「月9」の強みである恋愛ドラマへの回帰を掲げてきたが、散々たる結果に終わった。関係者は「局としてもかなりの痛手になっている」と明かす。
キャスティングと製作陣に"本気度"
- 7月期の「海のはじまり」は、目黒蓮主演で「月9」復活にかける本気作
- 「silent」の制作チームが再集結し、"親子の愛"をテーマにした完全オリジナル作品
- 有村架純、大竹しのぶ、池松壮亮などの実力派が脇を固める
フジテレビは、7月期の「海のはじまり」で「月9」の再起を狙う。目黒蓮主演で、社会現象となった「silent」の制作チームが再集結する。脚本は「silent」以来2年ぶりに目黒とタッグを組む生方美久が手がける。さらに、有村架純、大竹しのぶ、池松壮亮などの実力派が脇を固める。
テレビ誌ライターは「キャスティングや製作陣からも分かるように、『月9』復活にかける本気度が伝わってきます」と指摘する。
予算は1話3000万円も…結果が出なければ"月9不要論"が本格化
しかし、フジテレビ関係者は「これでコケてしまった場合は、最悪の展開もある」と危惧する。「月9」には1話あたり最高で3000万円ほどの予算が組まれているが、結果が出なければ放送枠を別のコンテンツに変更する「月9不要論」が本格化する可能性があるのだ。
関係者は「局としては伝統あるコンテンツなので、そうならないことを願っていますが、背に腹は変えられないところまで来ています」と明かす。
視聴者の評価は上々も視聴率が伴わず
- 「366日」は役者陣の演技力と"ベタ"なストーリーが好評
- 配信サイト「TVer」のお気に入り登録者数では4月期連ドラ4位
- しかし、視聴率が低迷したことで不名誉な記録が生まれてしまった
「366日」は、主演の広瀬アリスや眞栄田郷敦の演技力が高く評価された。また、"ベタ"なストーリーも好評で、配信サイト「TVer」のお気に入り登録者数では4月期の連続ドラマで4位だった。しかし、視聴率が低迷したことで、1年を通して一度も二桁視聴率を獲得できなかった不名誉な記録が残ってしまった。
キー局ドラマ制作プロデューサーは「賛否はありましたが、それでも"ベタな展開"を貫いたことで、視聴者は付いて行きやすかったのではないでしょうか」と評する一方で、「最終話に向けてそれぞれの心情の変化をもう少し丁寧に描いて欲しかった」と指摘する。
最後に
フジテレビの看板ドラマ枠「月9」が、大きな岐路に立たされている。4月期の「366日」の視聴率低迷で不名誉な記録が生まれ、局内で「月9不要論」が浮上した。7月期の「海のはじまり」は、キャスティングと製作陣に"本気度"が感じられるが、結果が出なければ「月9不要論」が本格化する可能性がある。伝統あるコンテンツの行方に注目が集まる。