企画書を書いていると、「概要」と「趣旨」は何が違うのか迷いますよね。どちらも内容を説明する言葉なので、つい同じように使ってしまいがちです。ですが、この2つは役割がはっきり違います。ここを押さえるだけで、企画書の読みやすさも伝わりやすさもぐっと変わりますよ。

結論から言うと、「概要」は内容の全体像をまとめたもの、「趣旨」はその企画を行う目的やねらいを示すものです。

つまり、概要は「何をする企画なのか」を伝え、趣旨は「なぜそれをするのか」を伝える言葉です。企画書ではこの違いを意識して書き分けることがとても大切です。

概要と趣旨の違いを比較表でチェック

項目 概要 趣旨
意味 内容の大まかなまとめ 目的・意図・ねらい
答える問い 何をするのか なぜするのか
対象 企画全体の内容 企画の背景や狙い
書く内容 企画の名称、実施内容、対象者、方法など 課題、必要性、実施する理由、目指す効果など
ニュアンス 全体像を手短に説明する 企画の意味や価値を説明する
企画書での役割 読み手に全体をすばやく理解してもらう 読み手に納得感を持ってもらう

「概要」とは何か

概要とは、物事の細かい部分を省いて、全体の要点だけを短くまとめた説明のことです。企画書でいう概要は、その企画がどんな内容なのかをひと目でつかめるように整理した部分ですね。

たとえば新しい社内イベントの企画書なら、概要には次のような内容が入ります。

  • イベント名
  • 開催日時
  • 対象者
  • 実施場所
  • 主な内容

つまり概要は、企画の骨組みを簡潔に見せるパートです。読む人はまず概要を見て、「この企画はこういうものなんだな」と全体像をつかみます。

概要の例文

  • 本企画の概要は、若手社員向けの交流イベントを年2回開催するというものです。
  • サービス改善案の概要を先にご説明します。
  • 会議資料の冒頭に計画の概要を記載しました。

概要の言葉の成り立ち

「概」は、おおむね、大体という意味を持ちます。「要」は大切な点、要点という意味です。合わせると、「大まかに要点をまとめたもの」という意味になり、今の使い方にもぴったりつながっています。

「趣旨」とは何か

趣旨とは、その物事を行う意図や目的、伝えたい中心的な考えのことです。企画書の中では、「なぜこの企画が必要なのか」「どんな課題を解決したいのか」を示すパートとして使われます。

同じ企画でも、概要だけでは「内容」は伝わりますが、「意味」は十分に伝わりません。そこで必要になるのが趣旨です。趣旨がしっかりしていると、読み手は企画の必要性を理解しやすくなります。

趣旨の例文

  • 本企画の趣旨は、部門間のコミュニケーション不足を改善することです。
  • 開催の趣旨をご理解いただいたうえでご参加ください。
  • 案内文にはイベントの趣旨を明記してください。

趣旨の言葉の成り立ち

「趣」には、おもむき、向かうところという意味があります。「旨」は、要点、中心となる考えという意味です。そこから「趣旨」は、話や行動が向かっている中心の意図、つまり目的やねらいを表す言葉として使われています。

企画書では、「概要=企画の説明」「趣旨=企画の理由」と覚えると使い分けしやすいですよ。

企画書ではどう書き分ける?

実際の企画書では、概要と趣旨を次のように分けると分かりやすいです。

概要に書くこと

  • 企画の内容
  • 実施時期
  • 場所
  • 対象者
  • 進め方
  • 実施規模

趣旨に書くこと

  • 現状の課題
  • なぜこの企画が必要か
  • どんな変化を目指すか
  • 期待する効果

たとえば「社内勉強会」を企画する場合、概要は「月1回、若手社員向けに業務知識を共有する勉強会を開催する」と書きます。一方、趣旨は「部署ごとの知識の偏りを減らし、社員同士の学び合いを促進するため」と書きます。このように、概要は事実ベース、趣旨は理由ベースで考えると整理しやすいです。

よくある間違い

概要と趣旨は近い位置に置かれることが多いため、内容が重複してしまうことがあります。特に多いのは、概要の欄に目的を書いてしまったり、趣旨の欄に実施内容を長々と書いてしまったりするケースです。

  • 概要に「社員の交流を深めるため」とだけ書く → これは趣旨寄りです
  • 趣旨に「会場は大会議室、対象は全社員」と書く → これは概要寄りです

もちろん多少の重なりはあっても問題ありませんが、読み手にとって分かりやすい企画書にするには、役割を分けて書くのがおすすめです。

類語・言い換え表現もチェック

概要の類語

  • 要約
  • あらまし
  • 大要
  • 概略

ただし、「要約」は文章を短くまとめる意味が強く、「概要」は全体像をざっくり示す意味合いが強いです。

趣旨の類語

  • 目的
  • 意図
  • ねらい
  • 主旨

なお、「趣旨」と「主旨」はよく似ていますが、一般的な公用文やビジネス文書では「趣旨」が広く使われます。「主旨」も誤りではありませんが、文書全体で表記を統一するのが大切です。

迷ったときの覚え方

最後に、すぐ使える覚え方をご紹介します。

  • 概要=何の話か
  • 趣旨=何のための話か

この2つをセットで覚えておくと、企画書だけでなく、案内文、会議資料、プレゼン資料でも迷いにくくなります。特にビジネス文書では、「何をするか」と「なぜするか」を分けて伝えるだけで、相手の理解度がかなり変わりますよ。

まとめ

「概要」と「趣旨」は似ているようで、役割が違う言葉です。概要は企画の全体像を短く示すもの、趣旨は企画の目的やねらいを伝えるものです。企画書では、概要で全体をつかんでもらい、趣旨で納得してもらうイメージで使い分けると、ぐっと伝わりやすくなります。

もし書いていて迷ったら、「これは何を説明しているのか、それともなぜを説明しているのか」と自分に問いかけてみてください。そこで整理できれば、概要と趣旨の違いはもうしっかりつかめていますよ。

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