面接や就活、転職活動でよく迷うのが、「当社・弊社・貴社・御社」の使い分けですね。会社を指しているのは分かっていても、話すときと書くときで言い方が変わるので、急に自信がなくなる方も多いです。
先に結論をお伝えすると、自分の会社をへりくだって言うなら「弊社」、自分の会社を一般的に言うなら「当社」、相手の会社を話し言葉で言うなら「御社」、書き言葉で言うなら「貴社」です。面接では、応募先の会社に対して口頭で話す場面が多いので、基本は「御社」を使えば大丈夫ですよ。
当社・弊社・貴社・御社の違いがひと目で分かる比較表
| 言葉 | 意味 | 対象 | 主な場面 | ニュアンス |
|---|---|---|---|---|
| 当社 | この会社、わが社 | 自分の会社 | 社内外の説明、一般的な表現 | 中立的でフラット |
| 弊社 | へりくだって言う自分の会社 | 自分の会社 | 取引先との会話、面接、営業 | 謙譲の気持ちがある |
| 貴社 | 相手の会社の書き言葉 | 相手の会社 | 履歴書、ES、メール、書類 | 敬意があり文章向き |
| 御社 | 相手の会社の話し言葉 | 相手の会社 | 面接、説明会、電話、会話 | 敬意があり会話向き |
まず押さえたい基本ルール
この4語は、大きく分けると「自分側の会社を指す言葉」と「相手側の会社を指す言葉」に分かれます。
- 自分の会社:当社・弊社
- 相手の会社:貴社・御社
さらに、「へりくだるかどうか」「話し言葉か書き言葉か」がポイントになります。特に面接ではこの2つが重要です。なぜなら、面接は応募先に敬意を示しながら、口頭で受け答えする場だからですね。
当社の意味と使い方
「当社」は、自分の会社を指す言葉です。「この会社」「わが社」という意味で、比較的フラットで中立的な表現です。へりくだりの気持ちはあまり強くなく、社内文書や企業サイト、ニュースリリースなどでもよく使われます。
当社が向いている場面
- 会社案内や公式サイト
- 社内外向けの一般的な説明
- 客観的に自社を紹介するとき
当社の例文
- 当社では新しい研修制度を導入しています。
- 当社の強みは、全国対応のサポート体制です。
ただし、取引先や面接官の前で自社を言うなら、「当社」より「弊社」のほうが丁寧に聞こえることが多いです。ビジネスの会話では、その場との距離感も大切ですね。
弊社の意味と使い方
「弊社」は、自分の会社をへりくだって言う表現です。「弊」には、自分側を控えめに表す働きがあります。そのため、相手を立てる必要がある場面でよく使われます。
弊社が向いている場面
- 取引先との会話やメール
- 商談や営業の場面
- 面接で前職や現職の会社を指すとき
弊社の例文
- 弊社では法人向けサービスを中心に展開しております。
- 前職では、弊社の商品企画部で3年間勤務していました。
転職面接では、現職や前職について話すときに「弊社」を使うと自然です。ただし、新卒の就活でまだ所属企業がない場合は、自分の会社を指す機会自体が少ないですね。
貴社の意味と使い方
「貴社」は、相手の会社を敬って言う書き言葉です。読み方は「きしゃ」です。履歴書、志望動機書、エントリーシート、メールなど、文字にする場面で使います。
貴社が向いている場面
- 履歴書や職務経歴書
- エントリーシート
- 応募メールや問い合わせ文
貴社の例文
- 貴社の企業理念に強く共感しております。
- 貴社で営業職として成長したいと考えております。
面接対策でよくある失敗が、書類で「御社」と書いてしまうことです。会話では自然でも、文章では少し違和感が出ます。書くときは「貴社」と覚えておくと安心ですよ。
御社の意味と使い方
「御社」は、相手の会社を敬って言う話し言葉です。読み方は「おんしゃ」です。面接、会社説明会、電話など、声に出して伝える場面で使います。
御社が向いている場面
- 面接での受け答え
- 会社説明会での質問
- 電話で応募先に連絡するとき
御社の例文
- 御社の海外事業に魅力を感じ、志望しました。
- 御社であれば、お客様に近い立場で価値提供ができると思いました。
就活では、「面接では御社、書類では貴社」が定番ルールです。ここがいちばん大事なポイントですね。
面接での正しい使い分け
面接では、応募先企業を指すときは基本的に「御社」を使います。たとえば志望動機、入社後にやりたいこと、企業研究の内容を話すときも「御社」が自然です。
面接で使いやすい言い回し
- 御社を志望した理由は2点あります。
- 御社の強みは、地域密着の提案力だと感じています。
- もしご縁をいただけましたら、御社で長く経験を積みたいです。
一方で、前職の会社を指すなら「弊社」よりも「前職」「現職」「以前勤めていた会社」と言い換えると分かりやすいこともあります。話が複雑になりそうなときは、無理に敬語だけで押し切らず、伝わりやすさを優先して大丈夫です。
よくある間違い
面接で「貴社」と言ってしまう
大きな失礼とまでは言えませんが、本来は書き言葉です。口頭では「御社」のほうが自然です。
履歴書やESで「御社」と書いてしまう
こちらは就活でよくあるミスです。提出前に「文章だから貴社になっているか」を確認すると安心です。
自分の会社を「御社」と言ってしまう
「御社」「貴社」は相手の会社への敬称です。自社には使いません。自分の会社なら「当社」または「弊社」です。
語源や成り立ちも簡単にチェック
「貴」は、相手を高めるイメージがある漢字です。そのため「貴社」は相手を立てる書き言葉として使われます。「御」も敬意を表す言葉なので、「御社」は会話での丁寧な呼び方になっています。
一方、「弊」は自分をへりくだる意味を持つ漢字です。だから「弊社」は自社を控えめに表す言い方になるんですね。「当社」は単純に“この会社”という意味なので、もっと中立的です。
関連する類語・言い換え表現
- 自社:自分の会社。やや実務的な言い方
- わが社:やや硬めだが一般的
- 御行・貴行:銀行に対して使う
- 御校・貴校:学校に対して使う
- 御院・貴院:病院に対して使う
実は「社」以外にも、業界や組織の種類によって言い換えがあります。銀行なら「御社」ではなく「御行」、学校なら「御校」など、対象に合わせた敬称があるんです。ここまで知っていると、かなり言葉に強い印象になりますよ。
迷ったときの覚え方
最後に、面接で混乱しないためのシンプルな覚え方をまとめます。
- 自分の会社を普通に言う:当社
- 自分の会社をへりくだる:弊社
- 相手の会社を文章で言う:貴社
- 相手の会社を会話で言う:御社
面接に限るなら、「話す相手の会社だから御社」と覚えるのがいちばんラクです。履歴書やESを書くときだけ、「書くから貴社」に切り替えればOKですね。
まとめ
「当社・弊社・貴社・御社」はどれも会社を指す言葉ですが、誰の会社か、そして話し言葉か書き言葉かで使い分けます。面接では応募先を「御社」、書類では「貴社」、自社は状況に応じて「当社」または「弊社」を選べば、まず迷いません。
ほんの少しの違いですが、正しく使えると丁寧で信頼感のある印象につながります。面接前にこの4語を整理しておくと、受け答えにも自信が持てますよ。
