1月の時候の挨拶|新春から大寒までの上旬・中旬・下旬の例文

1月の手紙やビジネス文書で、「新春の候はいつまで使える?」「下旬にはどんな挨拶が適切?」と迷うことはありませんか。1月の時候の挨拶は、年始のお祝いを表す言葉と、冬の寒さを伝える言葉を、送る時期に合わせて選ぶのが基本です。

年始なら「新春の候」、寒さが深まる頃なら「厳寒の候」、大寒を迎えたら「大寒の候」が候補になります。この記事では、時期別の比較表と、そのまま書き換えて使える書き出し・結びの例文を紹介します。

1月の時候の挨拶は「時期・相手・用途」で選ぶ

上旬・中旬・下旬で季節の伝え方を変える

1月を上旬の1〜10日、中旬の11〜20日、下旬の21〜31日に分けると、表現を選びやすくなります。ただし、これは整理のための区分です。実際には、正月行事の期間や二十四節気、相手の地域の気候も考慮します。

  • 上旬:「新春」「初春」など、新しい年を迎えた喜びを表す。
  • 中旬:「寒冷」「厳寒」など、寒さが深まる様子を表す。
  • 下旬:「厳寒」「大寒」など、一年のうちでも寒い時期であることを伝える。

郵送する手紙は、書いた日よりも相手に届く頃の季節感を基準にすると自然です。月末に発送し、到着が2月になる場合は、立春前後の表現も確認しましょう。

改まった文書は漢語調、親しい相手には口語調

「厳寒の候」のような短く改まった表現を漢語調といい、取引先への挨拶状や正式な案内状に向いています。「候」は「こう」と読み、「〜の季節になりましたが」という意味を表します。

一方、「寒さがひとしお身にしみる頃となりました」のような口語調は、親族や友人への手紙に適しています。丁寧な言葉を選べば、日頃から交流のある仕事相手にも使えます。時候の挨拶は、難しい言葉を使うことより、相手と場面に合うことが大切です。

【比較表】1月に使える時候の挨拶と使用時期

代表的な表現を、時期と印象で比較しました。使用時期は目安であり、すべての言葉に厳密な期限があるわけではありません。特に寒さを表す言葉は、実際の天候に合わせて選びましょう。

表現・読み方 使う時期の目安 意味・特徴 向いている用途
新春の候(しんしゅんのこう) 年始、特に松の内 新年を迎えた喜びを表す定番表現 年始の挨拶状、取引先への書状
初春の候(しょしゅんのこう) 年始、特に松の内 新春と同様に新年を祝う、やや雅な表現 改まった新年の手紙
小寒の候(しょうかんのこう) 小寒から大寒の前日頃 寒の入りを迎え、寒さが増す様子 1月上旬〜中旬の正式な文書
寒冷の候(かんれいのこう) 1月の寒い時期 冷え込みを落ち着いた調子で伝える 案内状、一般的なビジネス文書
厳寒の候(げんかんのこう) 1月の厳しい寒さの頃 冬の寒さが厳しいことを表す 中旬・下旬を中心とする書状
酷寒の候(こっかんのこう) 特に寒さが厳しい頃 「厳寒」よりも強い寒さを感じさせる 厳しい冷え込みに合う挨拶状
大寒の候(だいかんのこう) 大寒から立春の前日頃 一年で最も寒いとされる時期を表す 1月下旬の正式な文書
寒さ厳しき折 1月の寒い時期 相手への気遣いにつなげやすい 個人宛ての手紙、結びの挨拶

小寒・大寒の日付は年によって変わる

二十四節気の小寒は例年1月5〜6日頃、大寒は1月20日頃、立春は2月4日頃です。日付は年によって前後するため、節気名を使うときは、その年の暦を確認してください。

「小寒の候」は小寒から大寒の前日頃、「大寒の候」は大寒から立春の前日頃に使うのが一般的です。たとえば1月12日頃なら「小寒の候」、1月25日頃なら「大寒の候」が候補になります。節気を確認する余裕がなければ、実際の寒さに合う「厳寒の候」などを選ぶとよいでしょう。

「新春」は暖かさではなく新年を表す

「新春」「初春」は、1月に春のような暖かさがあるという意味ではありません。新年を祝う言葉なので、寒い地域でも年始の挨拶に使えます。ただし、月末の文書では正月の印象が強くなりすぎるため、寒さを表す言葉へ切り替えるのが無難です。

ビジネスで使える1月の時候の挨拶・例文

上旬:年始の取引先向け挨拶状

年始の正式な書状は、新年らしい言葉に、相手の発展を喜ぶ挨拶と今年のお願いを続けます。

拝啓 新春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。旧年中は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。本年も変わらぬお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。

皆様のご健勝と貴社の一層のご発展を心よりお祈り申し上げます。 敬具

会社宛てには「貴社」、個人宛てには「○○様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます」など、宛先に応じた表現を使います。

中旬:案内や資料送付に添える挨拶

年始のお祝いを重ねるよりも、季節の挨拶から用件へ簡潔につなぐと読みやすくなります。

拝啓 厳寒の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、下記のとおり説明会を開催いたしますので、ご案内申し上げます。ご多用の折、誠に恐縮ではございますが、ご参加をご検討いただけますと幸いです。

寒さ厳しき折、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。 敬具

実際の案内状では、この本文に開催日時・場所・申込方法などの必要事項を加えます。「下記」と書く場合は、対応する案内情報を必ず記載してください。

下旬:大寒の頃の正式な書き出し

拝啓 大寒の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。

「ご隆盛」は事業などが盛んであることを喜ぶ表現です。個人への書状なら「お変わりなくお過ごしのことと存じます」などに置き換えると自然です。本文の後は、寒さへの気遣いや今後のお付き合いを願う言葉で締めくくります。

通常の業務メールでは省略してもよい

日常の業務メールに、時候の挨拶は必須ではありません。急ぎの連絡や短い確認メールでは、「いつもお世話になっております」から用件へ進んで問題ありません。季節感を添える場合も、1文程度を目安にすると読みやすくなります。

いつもお世話になっております。寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。先日ご相談いただいた件につきまして、資料をお送りいたします。

親しい人への手紙に使えるやわらかい例文

上旬:新しい年の始まりを伝える

「新しい年を迎え、皆様お健やかにお過ごしでしょうか。本年もどうぞよろしくお願いいたします。」

「お正月はいかがお過ごしでしたか。寒い日が続きますが、お変わりありませんか。」

1つ目は年始全般に、2つ目は正月休みが明けた頃に向いています。親しい間柄でも、相手の家族構成や過ごし方を決めつけず、問いかける形にすると気遣いが伝わります。

中旬:寒さと相手の近況に触れる

「寒さがいっそう身にしみる頃となりましたが、お元気でお過ごしでしょうか。」

「朝晩の冷え込みが厳しくなってまいりました。皆様お変わりなくお過ごしのことと存じます。」

「雪景色」「霜柱」なども季節感のある言葉ですが、地域によっては実情に合いません。相手の地域の様子が分からないときは、寒さや冷え込みを表す言葉が使いやすいでしょう。

下旬:春を待つ気持ちを添える

「大寒を迎え、寒さもひとしお厳しく感じられます。お変わりなくお過ごしでしょうか。」

「春の訪れが待ち遠しいこの頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。」

1月下旬は、春を待つ気持ちを表すこともできます。ただし、「春らしい暖かさとなりました」と断定する表現は、その時点の気候に合う場合に限って使いましょう。

1月の結びの言葉と、間違えやすいマナー

結びは健康への気遣いを中心にする

1月の結びには、寒さの中で相手の健康を願う一文がよく合います。書き出しと同じ言葉をそのまま繰り返さず、次のように調整すると自然です。

  • 取引先へ:厳寒の折、皆様のご健勝と貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。
  • 目上の個人へ:寒さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。
  • 親しい相手へ:まだまだ寒い日が続きますので、暖かくしてお過ごしください。
  • 再会を願うとき:暖かな春にお目にかかれることを楽しみにしております。

「ご自愛」には自分の体を大切にする意味が含まれるため、「お体をご自愛ください」ではなく「どうぞご自愛ください」とすると簡潔です。すでに療養中の相手には、「一日も早いご回復をお祈り申し上げます」など、状況に合う言葉を選びましょう。

松の内と寒中見舞いの時期を区別する

松の内は、一般に1月7日までとする地域が多い一方、1月15日までとする地域もあります。「新春の候」は年始、特に松の内を目安に使うと自然ですが、1月7日を過ぎると一律に誤りになるわけではありません。

寒中見舞いは、一般に松の内が明けてから立春の前日までに届くよう送ります。松の内が1月7日までの地域なら1月8日以降、15日までなら16日以降が目安です。暦の「寒の入り」と、年賀状から寒中見舞いへ切り替える時期は、分けて考えましょう。

喪中の相手には祝いの表現を控える

喪中の方へ送る挨拶では、「あけましておめでとうございます」などの祝いの言葉を避けます。「新春」「初春」も年始のお祝いを連想させるため、「寒中お見舞い申し上げます」など、寒さや相手を気遣う表現にすると安心です。

また、一般的な改まった手紙では「拝啓」と「敬具」を対にしますが、寒中見舞いでは頭語・結語を省くのが一般的です。お悔やみを主目的とする手紙も、通常の時候の挨拶を省き、弔意を中心に書きます。

まとめ|相手と目的に合う1月の挨拶を選ぼう

1月の時候の挨拶に迷ったら、まず送る時期を確認し、次に相手との関係に合わせて表現を選びましょう。タイプ別のおすすめは次のとおりです。

  • 正式な挨拶状を送りたい方:年始は「新春の候」、寒さが厳しい頃は「厳寒の候」を基本にする。
  • 季節を正確に伝えたい方:その年の暦を確認し、「小寒の候」「大寒の候」を使い分ける。
  • 親しみやすさを重視する方:「寒い日が続いておりますが」など、口語調の書き出しを選ぶ。
  • 短い業務メールを送りたい方:時候の挨拶は省くか1文にとどめ、用件を分かりやすく伝える。

12月・2月を含めた季節ごとの使い分けも確認したい方は、冬の時候の挨拶についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

例文をそのまま使うだけでなく、到着する時期や相手の状況に合わせて一言整えることで、より心の伝わる挨拶になります。